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車椅子の心理学者 中村珍晴氏

「障害を価値に変えるストーリーの力」

セミコングランプリ名古屋2026
卒業生インタビュー

 

PROFILE プロフィール

中村珍晴(なかむら たかはる

車椅子の心理学者 /「セミコングランプリ名古屋2026」優勝者
19歳の時、アメフトの事故で車椅子生活となる。生きる意味を見失ったものの、中学校での講演をきっかけに、自身の体験を語ることが人々の役に立つことを実感。講演実績は440件以上、累計聴講者25,000人超え。YouTube登録者10万人。現在は、物語る力のビジネス活用として、企業の採用ブランディング支援事業を展開。学術領域では「挫折からの心の成長」というテーマで博士号を取得。日本学術振興会特別研究員(DC2)、神戸学院大学心理学部講師を歴任。NHK Eテレ「toi-toi」制作委員兼レギュラー出演。

※講演・研修のご依頼は以下より
【公式HP】https://nakamura-takaharu.com/
【You Tube】https://www.youtube.com/@suisui-project

 

インタビュアー 立石剛(たていし つよし)

一般社団法人日本パーソナルブランド協会 代表理事
セミコングランプリ主催者

967年大阪府生まれ。同志社大学卒業後、大手損保、生保を経て37歳で独立。自らの営業不振を機に「自分らしい成功」を探求し、パーソナルブランディングの重要性に開眼。ビジネス誌で特集されるなど専門家として注目を集める。現在は、経営者やリーダー層を対象に、強みの発見からミッション・ビジョンの言語化、ブランドストーリー設計までをトータルで支援している。

2007年より、独自のノウハウを10分で発表する「セミナー講師の甲子園(現:PBC)」を主催。18年間で国内外20か所以上、延べ1,800名以上の講師を指導し、多くの人気講師や著者を輩出してきた。2026年からは活動をグローバルに広げ、シンガポール、タイ、モンゴルでも展開。著書に『決定版!セミナー講師の教科書』などがある。「一人ひとりが自分らしく輝き、個性を認め合える社会の創造」をミッションに掲げ、価値ある教育の普及に全力を注いでいる。

【HP】https://tateishitsuyoshi.com/

 

セミコン優勝後、仕事の幅が大きく広がった

立石:
グランプリ優勝後、とてもお忙しいと聞いています。
最近はどのようなお仕事が増えていますか?

中村氏:
現在は企業の中間管理職、いわゆるリーダー層の方々を対象に、ストレスへの向き合い方や、困難をどう成長につなげていくかをレジリエンスの観点からお伝えする研修を中心に行っています。
また、大学関係でも非常勤講師のご依頼をいただく機会が増えました。

立石:
優勝をきっかけに、専門分野がより明確になった印象がありますね。

中村氏:
そうですね。これまでは「心理学を研究している人」という認識が多かったのですが、セミコンを通じて「障害を価値に変えるストーリーの作り方」や「レジリエンス」というテーマを多くの方に知っていただけるようになりました。

メディア出演や講演活動も増加

立石:
この1年、本当に多方面でご活躍されていますよね。NHKの番組にも出演されています。

中村氏:
NHK Eテレで毎週木曜20時から放送されている「toi-toi」という番組に、制作委員兼レギュラー出演者として関わっています。

また、4月25日には大阪で、兄と一緒に講演会を開催予定です。セミコン優勝のストーリーと合わせてプレスリリースを出したところ、産経新聞や読売新聞から取材のお話もいただいています。

なぜセミコンに挑戦したのか

立石:
大学で教えている先生でもあり、プレゼン経験も豊富だと思いますが、なぜセミコンに挑戦しようと思われたのですか?

中村氏:
きっかけは、ある打ち合わせの場で立石先生とお会いしたことでした。
その時にセミコンの話を聞き「自分にも伝えられることがあるかもしれない」と感じたのが最初です。

当時は、これからの人生で何に力を注いでいきたいのかがまだ明確ではありませんでした。そんな中でセミコンという舞台に出会い、「これかもしれない」と思って挑戦しました。

立石:
エントリーされた時点では、テーマもまだ決まっていませんでしたよね。

中村氏:
そうですね。まだ自分の軸が定まっていない状態でした。

10分にまとめる難しさ

立石:
実際に挑戦してみて、いかがでしたか?

中村氏:
率直に感じたのは、「10分にまとめることの難しさ」です。
普段はもっと長い時間で話すことが多いので、伝えたいことを凝縮するのは非常に大変でした。気がついたら自己紹介だけで時間が終わってしまうこともありました。

立石:
多くのサポーターの方と壁打ちを重ねながら、テーマを磨いていかれましたよね。

中村氏:
はい。「結局一番伝えたいことは何か?」という問いを何度もいただき、そのたびに考え続けることで、少しずつ軸が見えてきました。

予選で感じた大きな壁

立石:
大阪大会では素晴らしい発表でしたが、グランプリ予選では違った難しさもあったのではないですか?

中村氏:
正直、予選はそこまで苦労しないと思っていました。
しかし実際にやってみると、同じ内容のはずなのに全く手応えがありませんでした。
予選は通過したものの、「これは伝わっていない」と感じ、とても悔しかったです。

立石:
その悔しさから、どのような改善をされたのですか?

中村氏:
とにかく多くの方に聞いていただき、練習を重ねました。
ただ、回数を重ねるほど洗練されすぎてしまい、逆にロボットのようになってしまった感覚もありました。

自己開示できていなかったのは、自分自身だった

中村氏:
転機となったのは、グランプリ直前の立石先生との個人セッションでした。
「自己開示の大切さを伝えているのに、自分が一番自己開示していないのではないか」
そう指摘されたことを覚えています。

自分ではさらけ出しているつもりでしたが、振り返ると「きれいに整理された部分」だけを話していたのかもしれません。

そこで、自分の本音に向き合いました。

「障害を負って良かったとは、今でも思っていない」
あの言葉を最後に加えたとき、初めて自分の言葉で話せた感覚がありました。
ありのままの気持ちを伝えたことで、不思議と自然に話せるようになったのです。

挑戦する姿が、周囲の空気を変えた

立石:
実は最初に中村さんがエントリーされたとき、主催者として少し戸惑いもありました。

会場の設備や運営面で配慮すべきことが増えるのではないか、と考えたからです。

しかし実際には、中村さんの存在によって、サポーターや出場者の間に自然な助け合いの空気が生まれました。チーム大阪が、一つになったような感覚があったのです。

私自身の思い込みにも気づかされました。
中村さんが言われている「障害は価値に変えられる」の意味がわかった気がしました。

中村氏:
出場者の方から「僕がいると言い訳ができなくなる」と言われたこともありました。

立石:
そうなんです。パソコンの文字も打てない・階段も1人で登れない。そんな状況においても挑戦し続ける中村さんの姿に、「自分は何て小さなことを気にしてるんだ」という気持ちになる。

中村氏:
私が特別なことをしているというよりも、 「当たり前だと思っていたことが当たり前ではない」と気づくきっかけになったのかもしれません。

ストーリーは「経験」ではなく「向き合い方」で価値になる

立石:
自己開示と挑戦が組み合わさることで、ストーリーに力が宿ると感じました。

中村氏:
つらい経験そのものが価値になるわけではないと思っています。

その経験とどう向き合ったか。
そこからどんな行動をしているか。
そこまで含めて、ストーリーの価値が生まれるのではないでしょうか。

どんな人に挑戦してほしいですか?

立石:

最後に、これからセミコンに挑戦しようか迷っている方に向けてお聞きします。

どんな方に挑戦してほしいと思いますか?

中村氏:

「自分には人に伝えられることなんてない」と思っている方にこそ、挑戦してほしいと思います。

私自身も最初はそうでした。

特別な実績があるわけでもない。

誰かに誇れるような経験があるわけでもない。

そう思っていました。

でも実際には、人生の中で経験してきたことは、すべて誰かの役に立つ可能性があります。

大切なのは、その経験にどんな意味を見出すかだと思います。

自分の経験と向き合い、言葉にしていくことで、

それは誰かの勇気や希望になるかもしれません。

完璧な状態で挑戦する必要はないと思います。

むしろ、「まだ言葉になっていない」と感じている人ほど、挑戦する価値があるのではないでしょうか。

「伝えること」が使命になった瞬間

立石:
これからのビジョンについて教えてください。

中村氏:
これまでは、来てくださった方に伝えるという姿勢でした。

しかし今回の経験を通して、
与える側になりたいと思っております。

レジリエンスという考え方を、多くの方にも知っていただきたい。
伝えることそのものが、自分の使命だと思えるようになりました。


※対談は2026年4月10に Facebookライブで行なわれました。

セミナーコンテストは今後、名称を「パーソナルブランディングコンペティション(PBC)」に変更して開催します。
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セミコン卒業生の声VOICE

「セミコンで何を手に入れたのか?」「セミコン出場後、仕事にセミナーをどう活かしているか?」など
セミコングランプリ出場者の声を紹介します。